三吟歌仙         

066『落葉踏む夕散歩の巻』

周天・春芳・茄言三吟歌仙66
『落葉踏む夕散歩の巻』

《初折表》
冬   ① 落葉踏む音を楽しみ夕散歩      周天
冬   ②  枯れ木を見つめ聞く風の歌     春芳
雑   ③ 人波を口笛かすか吹き行きて     茄言
秋   ④  仮装とりどりハロウィンの街    周天
秋・月 ⑤ 夜の空月に息飲む美しさ       春芳
秋   ⑥  湖面の向こうに富士の初雪     茄言

《初折裏》
雑   ⑦ 銭湯に肩と心の凝りほぐれ      周天
恋   ⑧  眠る間際に君の名を呼ぶ      春芳
恋   ⑨ 忘れ得ぬ思い募りて艶の夢      茄言
夏・恋 ⑩  浴衣の裾をそっと合わせる     周天
夏   ⑪ 帰り来ぬ友と過ごした夏休み     春芳
夏   ⑫  汗滴らせ草とたたかう       茄言
冬・月 ⑬ 部活終え寒月白く道照らし      周天
冬   ⑭  日がな一日除雪作業で       春芳
雑   ⑮ この先に絶景あると藪を漕ぐ     茄言
雑   ⑯  都大路をにらむ五右衛門      周天
春・花 ⑰ 風呂帰り手ぬぐいさげて花の下    春芳
春   ⑱  今年も軒に燕巣作り        茄言

《名残折表》
春   ⑲ メーデーの旗ひるがえり人の渦    周天
雑   ⑳  混乱の中ひとりたたずみ      春芳
雑   ㉑ 世のなかを六畳一間から眺む     茄言
恋   ㉒  「今日は泊めて」とぽそり言われて 周天
恋   ㉓ 喜びに涙溢れて女学生        春芳
恋   ㉔  時を忘れて肩を寄せ合い      茄言
雑   ㉕ 左四つ技の冴えたる力士消え     周天
雑   ㉖  旅の重さを改めて知る       春芳
秋・月 ㉗ 隊列の砂漠に長く月の影       茄言
秋   ㉘  かすかに風の吹いて冷やか     周天
秋   ㉙ 赤ちょうちん暖簾をくぐる秋の暮れ  春芳
雑   ㉚  キッチンカーを夫婦で起業     茄言

《名残折裏》
雑   ㉛ 網の目を抜ける香りはエスニック   周天
雑   ㉜  地域に根ざし基盤を築く      春芳
雑   ㉝ 老木は隠れた梁に形変え       茄言
春   ㉞  岩間を伝う雪解けの水       周天
春・花 ㉟ 潤いて咲いた群落花絵画       茄言
春   ㊱  何やらゆかし春の湖        春芳

    自令和七年十一月 七日
    至 同  十一月十三日