067『小鳥目で追う冬木立の巻』
茄言・春芳・周天三吟歌仙67
『小鳥目で追う冬木立の巻』
《初折表》
冬 ① 目を凝らし小鳥追いけり冬木立 茄言
冬 ② 枯れ野に響くさえずりの声 春芳
雑 ③ 薬売り大きな荷物背負(しよい)込んで 周天
雑 ④ 土産に語る旅のあれこれ 茄言
秋・月 ⑤ 月を背に家路を急ぐ人の影 春芳
秋 ⑥ さんま煙って隣近所に 周天
《初折裏》
秋 ⑦ 晩秋の秘湯に独り湯気の中 茄言
恋 ⑧ 君を誘ってニセコへ向かう 春芳
恋 ⑨ 肩を寄せマリモ伝説聞き入って 周天
恋 ⑩ 湖畔で語る夢のやりとり 茄言
雑 ⑪ ランプつけ便りを記する宿の夜 春芳
雑 ⑫ 兵士に届く調べ哀しく 周天
夏・月 ⑬ 酷暑との闘いよそに涼し月 茄言
夏 ⑭ 島で過ごした夏の思い出 春芳
雑 ⑮ 瀬戸内に悲願の架橋十年(ととせ)越し 周天
雑 ⑯ 桂浜から大海仰ぐ 茄言
春・花 ⑰ 花明かりスマホで写す記念館 春芳
春 ⑱ 入社式での誓い新たに 周天
《名残折表》
春 ⑲ 春祭り今年は無理かと里の友 茄言
雑 ⑳ バルセロナにてフラメンコ見る 春芳
雑 ㉑ 闘牛の牛のつらさが気にかかり 周天
恋 ㉒ リップの色を褒めて顔寄せ 茄言
恋 ㉓ 金髪の髪を揺らしてパリジェンヌ 春芳
恋 ㉔ ハートをそっと奪う怪盗 周天
雑 ㉕ 見られても備忘に貼ったパスワード 茄言
雑 ㉖ ロックを外しラインで送る 春芳
秋・月 ㉗ 囚われの身に一条の月明かり 周天
秋 ㉘ 鳴き放題の虫を羨む 茄言
秋 ㉙ 紅葉の光輝く美しさ 春芳
雑 ㉚ 中国からの客は途絶えて 周天
《名残折裏》
雑 ㉛ 白黒を言ってパンダもいなくなり 茄言
雑 ㉜ 迷い断ち切る医師の決断 春芳
雑 ㉝ 凄腕の子連れ狼あてどなく 周天
春 ㉞ 光風はこぶ吉事の予感 茄言
春・花 ㉟ 天下獲る夢を語らう花の城 周天
春 ㊱ 旅へと誘う雲雀笛聞く 春芳
自令和七年十二月二十二日
至 同 十二月二十七日