071『青き空の巻』
春芳・周天・茄言 三吟歌仙71
第71巻「青き空の巻」
≪初折 表≫
夏 ① 汗拭い見上げる空の青さかな 春芳
夏 ② 暑さ日本一の故郷 周天
夏 ③ 夏の雲湧いて我先重なりて 茄言
雑 ④ 後ろ姿を追い掛けて行く 春芳
冬・月 ⑤ 雪国の夜汽車デッキに月の影 周天
冬 ⑥ おでんが待つと笑顔の絵文字 茄言
≪初折 裏≫
冬 ⑦ 読み切らぬ本を片手に冬の館 春芳
恋 ⑧ 焦れる思いにため息をつく 周天
恋 ⑨ 君の香とまたねを残すサブシート 茄言
恋 ⑩ 鏡に映る長い黒髪 春芳
恋 ⑪ 伝言はラメ入りピンクマーカーで 周天
雑 ⑫ ほうきに乗って働く小魔女 茄言
秋・月 ⑬ カーテンを開けて月光浴びる夜 春芳
秋 ⑭ サナトリウムの風は身に沁み 周天
秋 ⑮ ゆさゆさと重い穂揺らす稲の波 茄言
雑 ⑯ インドネシアのジャワ島へ発つ 春芳
春・花 ⑰ ガムランの音に合わせて花の舞 周天
春 ⑱ 任を引継ぎ帰国する春 茄言
≪名残折表≫
春 ⑲ 麗らかな風が過ぎゆく里の村 春芳
雑 ⑳ 診療所には医者が居つかず 周天
雑 ㉑ 啖呵売どこかの空に寅の声 茄言
雑 ㉒ 岩陰で聞く潮騒の詩(うた) 春芳
恋 ㉓ 逢いにゆく手だては一つ連絡船 周天
恋 ㉔ 離れて募る夏の戯れ 茄言
恋 ㉕ 恋文の言の葉たどる暑き夜 春芳
雑 ㉖ 端渓硯の家宝受け継ぎ 周天
秋・月 ㉗ 月隠れ雲霧忍ぶ江戸の闇 茄言
秋 ㉘ 台風迫る京の寺町 春芳
秋 ㉙ 一夜明け志士振り仰ぐ天高し 周天
雑 ㉚ 桶狭間から学ぶ戦術 茄言
≪名残折 裏≫
雑 ㉛ サッカーを見ながら唱う応援歌 春芳
雑 ㉜ どこの島かと地図を眺めて 周天
雑 ㉝ 衛星が家も歴史も露わにし 茄言
春 ㉞ 野を懐かしむ暖かな時 春芳
春・花 ㉟ 花摘みし少女の声に目を覚まし 茄言
春 ㊱ 古(いにしえ)からの春をことほぐ 周天
自 令和8年6月21日
至 同 6月28日